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「誰かを思いやり、行動する子どもに育ってほしい」そんな願いを込めて、「みんなのみらいをつくる保育園」を作りました。

この園では「指示も、命令もしない」子ども主体の新しい保育、に取り組んでいます。今日は、保育プログラムを作成する保育スーパーバイザー、小規模保育事業部の森永紗希子に、今の保育に対する問題意識や、子どもたちにどんな保育を届けたいかを聞いてきました。

コップ、落としてもいいんじゃない?

ー森永さんが、新たな保育の構想を始めたきっかけを教えて下さい。

森永:現場で保育士をしていましたが、疑問に思うことがたくさんあったんですね。それは、「大人の都合で、保育が行われているのではないか?」という疑問です。

例えば、食べる気持ちが出来ていない子どもに、「お皿ピカピカにしようね、がんばれ~!」と運動会のように応援する姿です。ゆっくりその子のペースで食べてもいいのではないかな、と思うんです。 謝ろうという気持ちが出来ていない子どもに、「ごめんねしようね」と無理に言わせることにも、とても違和感がありました。割れてもいいように、プラスチックのコップを使うのも嫌でした。落っことしてもいい、割ってしまった経験をさせればいいと思うんです。それをさせないのは、大人の都合ですよね。そんな現場を見ていて、保育が子どものことを一番に考えたものではなくなっている気がしていました。

ー日々の忙しさに追われて、気づかないうちにそうなっているかもしれませんね。

森永:子どもの時にどのように育てられたかは、大人になった時に出てくるのではないでしょうか?フローレンスで、若手保育スタッフの育成を担当していますが、「自ら考える力」が足りないな、と思うことが多くなっています。「本部としての考えを聞かせて下さい」「森永さんの考えは?」という風によく聞かれます。親や周囲から、「こうしなさい」と言われて育ってきたのかもしれません。

もっと自分でよりよい保育を考えて、グイグイ追求して欲しいと思っています。

行きたいところに行けばいい、「指示も、命令もしない保育」

ーそんな問題意識を解決する、新しい保育の形が「みんなのみらいをつくる保育園」で実践する保育でしょうか?

森永:まだまだ、話し合いを重ね、一生懸命考えて、試行錯誤しています。子どもたちの様子を見ながら、保育の内容のブラッシュアップを重ねています。

TVである園が特集されていて、「先生が決めない教育」を実践されていて、とても感銘を受けました。散歩中に虫を見つけ、子どもたちが立ち止まったら、いっしょに立ち止まり観察する。木の実を見つけたら、そこから遊びがはじまる。そんな保育ってとても素晴らしいと思うんですね。

私自身も、3人の娘を熱海の自然の中でそんな風に育てました。子どもが自分で歩けるようになり、少しずつ社会と関わりだしたら、子ども同士で話し合って、行動させてもいいんだなと気付きました。

子育てをしている時に、手づくりおもちゃは一切つくらなかった。

森永:保育士なのに、手作りおもちゃは一切つくったことがありませんでした。子ども達が虫をつかんで、「みてみて~」と言ってきた時に、応えてあげただけです。木の切れ端や葉っぱ、花や木の実でおままごとをする、そんな風に自由にさせていたら、ある日木の枝にカマキリの卵があったのか、部屋中カマキリの赤ちゃんだらけになり、「ギャー!」となったこともありました(笑)。

「今日はあの公園に行こうね」と先生たちが手を引くのではなく、子どもたちが自分で、今日遊ぶところだって決めちゃえばいいんです。行きたいところに行けばいい、寝たくなければ寝なくてもいい。出来るようになった子にはどんどんやらせたい、と思っています。私が勤めていた園ではよく、3歳からハサミを使わせる、と年齢で区切ります。そうではなく、ひとりひとりの習熟度によって、はさみを使わせていいと思うんです。

みんなのみらいをつくる保育園東雲では、すでに午前中の活動を「子どもたち自身」が選んでいます。お友達と一緒に踊る子、おもちゃで遊ぶ子、先生と一緒に公園にお散歩に行く子…。日々の生活の中で、自らが考え、行動する心を育んでいます。

 みらいで、いろんな人といっしょに生きる子どもたちに新しい保育を

-最後に、「みんなのみらいをつくる保育園」にかける想いを教えて下さい。

森永:うーん、困った人がいたら、すっと助けられるような人がたくさんいる社会になるといいな、と思っています。うん、「お互い様」という気持ちを持って、生きてほしいなと思います。

ー「お互い様」ですか?

森永:はい、「お互い様」です。これからの社会では、いろんな人と助け合い、いっしょに生きていくことがとても大切だと思っています。みんな、何かしらつらいことを抱えていたり、困っていたり、誰かの助けを必要とすることがたくさんあると思うんです。そして、助け合うためにはまず、自分の気持ちを知って、相手の気持ちに寄り添えるようになる必要があります。自分の気持ちを主張するためにではありません。自分の気持ちと、相手の気持ちを「お互い様だよね」と言いながら共存させて、いっしょに生きていくためです。

だから、子どもたちには、たくさん話し合って、行動して欲しい、たくさんの経験をして欲しいと思っています。みらいのために、そんな新しい保育を作り上げていきます。

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