「みんなのみらいをつくる保育園」

この園名を聞いた時、どんな印象を受けるでしょうか。

「長い」と感じられた方もいらっしゃるかもしれません。普通は、「子どもたちが言いやすいように」「覚えやすいように」短めの園名にすることがほとんどだと思います。特に、私たちのように、新しい保育園を立ち上げる時はなおさらです。

でも、私たちはあえて、新しく立ち上げる保育園名を「みんなのみらいをつくる保育園」と名付けました。今日はそこに込めた想いについてご紹介したいと思います。

0歳~2歳児対象のおうち保育園を展開しているフローレンスが、5歳児までお預かりする認可保育園を立ち上げる。この構想が出てから、どんな保育をするか、どんな園にしたいか、どんな風に子ども達と関わっていくか、それはもう何度も何度も、議論を交わしました。

私たちは、保育理念を

「みんなのみらいをつくる」ことに 自ら参加し 貢献し そして楽しむ心を育みます

と掲げました。みんなのみらい、とは、私たちが暮らすこの社会の未来です。そのみらいをつくる子ども達に、未来は自分達で変えていけることを伝えたい。これからの未来が、よりよい社会になっていくために。

そんな願い、想いを園名に込めよう、という方針はすぐにに決まったものの、実際に園名が決まるまでは紆余曲折ありました。候補となった園名は実に20個あまり。

その一部をご紹介します。

・みらい保育園

・みらいをつくる保育園

・みんなのみらいをつくる保育園

・みんなでみらいをつくる保育園

・つよくてやさしい保育園

・あしたをつくる保育園

・おうち保育園みらい

・ゆめをつくる保育園

・きぼうをつくる保育園

・みんなでつくる保育園    etc…

子ども達が呼びやすい園名がいいかな?

覚えやすい園名がいいかな?

短い方がいい?

私たちの想いはどうやって込めよう?

お子さんがいる方は、子どもの名前を決めるのに悩んだ経験があると思います。まさにそれと同じ。あーでもない、こーでもない、と悩み、意見を言い合い、最終的に2つに絞りました。

「みんなのみらいをつくる保育園」

「みんなでみらいをつくる保育園」

一文字しか違わないこの2つの園名。私たちは常々、保護者の方々や、地域の方々と一緒に、みんなで子ども達を育むことが大切だと考えています。だから、「みんなでみらいをつくる保育園」が想いを体現しているのではないか?

でも、私たちの願いは、「みんなのみらいをつくる人」に育って欲しい、ということです。

先ほど、未来は自分たちで変えられることを伝えたい、と書きました。その未来は自分の未来だけでなく、みんなの未来であってほしいのです。自分だけ良ければいいのではなく、いろんな人がいて、そのみんなの未来がよりよいものとなるように。そして、そんな未来を作っていくことを楽しんで欲しい。

「みんなでみらいをつくる」ことも大切だけど、「みんなのみらいをつくる」ことを考えられる人になって欲しいのです。

他者を思いやり、色んな人たちの存在を肯定し、みんなのみらいを良くすることを考えられる人に。

言われたことをやる人ではなく、自分で考え、試行錯誤してみることを怖れない人に。

ルールを守るだけではなく、その意味を問い、新しいルールを創り出せる人に。

社会からどう果実を得ようか考える人ではなく、社会をどう良くできるか、楽しんで考えられる人に。

だから、「みんなのみらいをつくる保育園」にしました。

私たちは、みんなのみらいをつくる心を育む新しい保育のカタチをつくっていきたいと思います。それはシチズンシップ保育といえるのではないでしょうか。保育園の名前を呼ぶたび、そのときの議論、想いが蘇ります。常に初心を忘れずに、子どもたちに一生懸命向かい合いたいと思っています。