多様なご家庭とともに歩む、インクルーシブ保育を実践する保育園

インクルーシブ保育とは、「子どもの年齢や国籍、障害の有無に関わらず、すべてお子さんへ、それぞれにあった保育を提供する」ことであると、私たちは考えています。「違うこと」はその子一人ひとりの個性。子どもたちは「違い」が当たり前であるという環境を身近に感じることで、他者を思いやる気持ちを学ぶことができます。 本日は仙台市青葉区にあるおうち保育園かしわぎの、インクルーシブ保育の様子を園で働く先生たちに紹介してもらいます。 またおうち保育園かしわぎで行う、2020年度・障害児向け入園説明会開催についてご案内いたします!

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「障害があってすみません」頭を下げ続けた母を救った保育園。~おうち保育園かしわぎの障害児預かり座談会~

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<プロフィール>
右)おうち保育園かしわぎ園長・相澤
2019年~おうち保育園かしわぎの園長をしている。お母さんのような優しさで、園全体をフォローしています。左)おうち保育園かしわぎ元主任・伊丹
2016年~2019年12月末までおうち保育園・仙台のスタッフとして勤務していた、バイタリティ溢れる保育士。今はワーキングホリデーを利用し、海外で仕事中。

※座談会は2019年12月に行ったものです(聞き手:みらいの保育園事業部・佐久間)

◎わたしはわたし、違うことを認め合う大切さ

――おうち保育園かしわぎではインクルーシブ保育を行っているとのことですが、今までどのようなご家庭を受け入れてきたのでしょうか。

園長相澤:外国籍のお子さんや、他の園からは入園を断られてしまったという、医療的ケアの必要がない障害のあるお子さんの受け入れも行っています。国籍の違いや障害の有無を、「違うこと」を「ネガティブなこと」と捉えずに、その子一人ひとりとしっかり向き合いながら保育を提供しています。

伊丹:特にうちの園は大学院などが近くにあるので、留学生のお子さんをお預かりするケースも多いです。国籍は、アジアやアフリカ方面など、本当にさまざまでしたよ。

――これまでに多様なお子さんをお預かりしてこられたんですね。
保育スタッフの皆さんは、園でどのようにインクルーシブ保育を行っているのですか。

伊丹:私たち保育スタッフは皆、「自分たちはインクルーシブ保育をしているんだ!」とは、特別に意識していないかも(笑)
ただ私たちは、お子さんそれぞれの違いを「特別なこと」とは捉えず、どの子にも同じように接しています。
大事なのは、お子さん一人ひとりの発達にあわせ、その子目線で関わっていくこと。「障害があるから、この子にはこういった保育と配慮を……」と考えるのではなく、「この子の実年齢は2歳だけれど、発達年齢は1歳で、特徴として例えば歩行が安定せず転びやすいので、1歳の保育と転んで頭をぶつけないような配慮を……」といったようにです。

――なるほど。障害や国籍で判断するのではなく、一人ひとりの成長を見ながら、その子にあった保育が大事ということですね。

伊丹:さいわい、おうち保育園は0~2歳の皆が一緒になって過ごす合同保育を行っているので、お子さんの実年齢にこだわらず保育ができます!

_DSC7744一人ひとりが違っていい。おうち保育園ではお子さんそれぞれの個性を大切にし、伸ばしていきます。

――小規模な保育園で合同保育を行っているからこそ、お子さん一人ひとりに合わせた保育が行えるんですね!
ただ、「障害があるお子さんや宗教が異なるお子さんと、その他のお子さん皆で同じ活動を……」と考えた時、なかなか難しいこともあるのではないかという印象があるのですが、園で悩んだ点や工夫・配慮している点はありますか。

園長相澤:障害児の受け入れですと、それぞれ障害の種類や程度に差があり、もちろんお子さん自身の気質も一人ひとり異なってくるので、そういった部分に特に配慮しています。
国籍が異なる場合も同様ですが、どのお子さんでも受け入れ時に、保育スタッフたちが初めて経験する部分が、必ずあります。ですので保護者とのコミュニケーションはもちろん、スタッフ同士の連携には特に気を配っています。

伊丹:そうですね。まず何よりも、チームワークを高めることが大切だと思います。

――初めて経験する部分とは、例えばどのようなケースでしょう。

園長相澤:外国籍のお子さんの場合、同じ宗教を信仰しているご家庭でも、それぞれの宗教観によって対応が異なってくるんです。例えば「食器を洗うスポンジは皆と一緒で大丈夫」と言う方もいれば、そうでない方もいる。だから一概に「同じ宗教を信仰しているご家庭」と括ってはいけないのだな、と気づきました。

――同じ宗教でも、異なる対応が必要になってくるとは思いませんでした!

園長相澤:そうなんです。多様性があるご家庭を受け入れることによって、私たちもその都度、色々な気づきがあり、国際理解が深まります(笑)
そしてこれらに対応していく柔軟な保育力は、実際にご家庭と関わっていく内に備わり、徐々にその子にとっての一番良い方向性も見つかっていくんです。私たちは常にトライ&エラーを繰り返し、より良い方向を探っていきます。

伊丹:他にも、ある子は宗教上の理由から毎日同じおやつを持参していたのですが、ついに飽きて食べなくなってしまったことがありました。最初、おやつが嫌いになったのかとも思いましたが、その子が、お友だちが色々なおやつを食べている様子はよく見ていたので、「お友だちと一緒のものを食べたいのかな?」と、保育スタッフ皆で考えて。
おやつ表を英訳し、保護者にお願いをしてみたら、その子も笑顔で、お友だちと一緒のおやつを食べれるようになった……、といったケースもあったんですよ。

――すごい観察力! それにお子さんが、食べたいものを食べれるようになって良かった!インクルーシブ保育を行っていく上では、臨機応変に物事に対応できる力が大切だということですね。

伊丹:そうですね。保護者のこともですが、子どもの様子もよく観察して、「この子はどうしたら、園での生活がより楽しくなるか」を、常に考えて保育をしています。「このお子さんには、こういう保育はどうかな?」と思ったことに挑戦し、その子の反応を見てみる。この繰り返しが大事なんです。

園長相澤:スピード感も重視しています。これまで対応した事例のないご家庭から入園相談を頂いた時に、園の受け入れ体制を時間をかけて慎重に整えてから入園承諾をするのは、少し違うなと。
もちろん、保育は慎重性が求められる仕事です。ですが、急な問い合わせをいただくご家庭のほとんどが、その時、園が見つからず困っていて、すぐに保育を必要としていることもまた事実なんです。ですから私たちは、お子さんの入園を可能な限り早く受け入れ、同時に園の体制を整えていくよう心がけています。

◎行政を通さず園に直接申込みできるメリットとは

――困っている家庭をそのままにしておかない、素晴らしい姿勢だと思います。

園長相澤:おうち保育園かしわぎは、困っている家庭に出会った時に「初めてのケースだからちょっと……」と二の足を踏むのではなく、「ここを工夫すればやれるんじゃないかな」と意見を出し合えるフットワークの軽い園です。だからこそ、意識せずインクルーシブ保育も実践できるんです。

伊丹:おうち保育園かしわぎには、一見大変かなと思うことも、「楽しいこと」に変えられる、面白い仲間が揃っているので(笑)

_DSC4252子どもたちにとってより良い保育とは何か、常に考えながら楽しい保育を提供してくれる保育スタッフたち。

――ものすごい情熱とパワー! 保育スタッフには様々な要素が求められているんですね。ありがとうございます。
では、インクルーシブ保育を行ったことでお子さんの成長・変化した部分を教えて頂けますか。

伊丹:とある障害があるお子さんは、入園前までは流動食しか食べることができなかったのですが、入園してすぐにご飯が食べれるようになりました。お友だちがご飯を食べている姿を見て、「自分も!」と思ったのかもしれません。最近では膝立ちや、一人で立つこともできるようになったんです! ご家族も、スタッフや周りにいる子ども達も、皆一緒にその成長を喜んでいます。ゆっくりであっても、日々、できることが増えてきて、お子さん本人も、自分の成長を実感しているんじゃないかな。
他の子も、それぞれ興味の対象が増え、個性を伸ばしていっています。もっと沢山の人と関わって、外の世界をどんどん見ていって欲しいです!

園長相澤:他の認可園より、困っている家庭に寄り添ってサポートしやすいのが、おうち保育園かしわぎの特に良い点だと感じています。例えば「軽度でも、障害があるから」といった理由で認可園へは入園ができなかったご家庭にも、企業主導型のおうち保育園かしわぎでは、もっと柔軟に受け入れができます。

――確かに企業主導型の保育園は、行政を通さずに園と保護者が直接契約をするので、困った人の声が認可園よりダイレクトに届きますし、裁量の自由度が高いですよね。

伊丹:困っているご家庭がいらっしゃいましたらぜひ一度、園にご相談下さい。一緒にどうしていけばよいか、考えていきましょう!

園長相澤:おうち保育園かしわぎは、これからもたくさんのご家庭の支援ができるよう、そして子どもも保護者もスタッフも、皆が笑顔で楽しく過ごせる保育園であるよう頑張ってまいります。応援、よろしくお願いします!

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◎お子さんの新しい可能性に挑戦してみませんか? 障害児向け入園説明会を開催します!

日本では、保護者が仕事復帰を望んだり、お子さんの成長を願って保育園の入園を検討しても、「障害があるから園では預かれない」「子どもに障害があるなら、お母さんと一緒に家で過ごした方が良い」などと、障害児がいる家庭に対してポジティブな受け入れ環境がまだ多くは整っていないのが現状です。

入園を希望しても複数の園に断られ続け、心が折れそうになっている保護者の方も、いるかもしれません。
ですが、諦めないでください。
障害がある子は乳幼児期に、外の世界と触れ合う選択の自由が無く、障害がある子をもつ保護者は、自分が「働く」ことを選べないままで良いのでしょうか?

そういった社会を少しでも変えていきたい、困っている家庭に寄り添いサポートしていきたいと願うおうち保育園かしわぎで、このたび障害児向け入園説明会を開催いたします。
悩みを抱える保護者の皆さん、この機会にぜひご相談ください。

2020年度・障害児向け入園説明会のご案内
【日時】
2月1日(土) 10:00~12:00 入園説明会
12:10~     個別相談会 ※希望者のみ
※この日程に参加が難しい方は、申し込みフォームからご相談ください
※お子さん連れでの参加が可能です
【場所】
おうち保育園かしわぎ(仙台市青葉区柏木1-7-35 1F)
【対象者】
・満3歳までの障害児(※)がいる家庭
※医療的ケアの必要がなく、集団生活が可能であると主治医が判断している必要があります
【募集定員】
若干名
【持ち物】
特別必要なものはございません。
個別相談を希望される方は、お子さんの状況がわかるもの(母子手帳、療育手帳、医師の診断書など、病名等がわかるものがあれば)をお持ちいただけると、スムーズに話が進みます。
【申込方法】
下記リンク先よりお申込みください(QRコードからもお申込みできます)。
https://pro.form-mailer.jp/fms/4d3bd64a112562
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