フローレンスの保育園では、地域の親子とつながる場として、保育園で作ったごはんを提供する「保育園こども食堂」を2019年から開催しています。
今回は「みんなのみらいをつくる保育園」での取り組みや、継続したことでうまれた変化をご紹介します。
東雲の保育園こども食堂を訪問!親子の笑顔あふれるひととき
江東区にある「みんなのみらいをつくる保育園東雲」の「保育園こども食堂」。
保育室に入ると、カレーのスパイシーな香りが空腹を誘います。この日のごはんは、れんこん入りのカレーライス、小松菜の和え物、味噌汁。こどもの好きなカレーにシャキシャキとしたれんこんを入れた、食感も栄養バランスも取れる献立です。
18時すぎになると、利用者が部屋に入り受付を済ませます。この日は11組の親子が参加しました。リピーターのこどもは、すぐに席に着き、「おなかすいた~」とごはんを待ち遠しそうにしています。
献立は保育園の給食と同じように素材の味を活かした薄味で、こどもが食べやすい大きさにカットされているため、普段は野菜が苦手な子も、この日はパクパクと食べていました。「家でもこれくらいスムーズに食べてくれたら嬉しいんですが」と驚く保護者の声も聞かれました。
こども食堂は、「ごはんを食べる場所」としてのイメージが強いかもしれません。しかし、フローレンスの「保育園こども食堂」ではスタッフが積極的に親子と会話し、自然な交流が生まれる場になっています。
フローレンスの2つの園が「保育園こども食堂」をはじめたきっかけ
※初台園ではごはんを食べる前に今日の献立発表をします
「みんなのみらいをつくる保育園初台」では、コロナ禍で保育園と地域の交流が少なくなったことをきっかけに、こども食堂を地域とつながる場として2022年に始めました。渋谷区ではまだ事例の少ない「保育園発のこども食堂」でしたが、園長と調理員が中心となり準備を進めました。
現在は、毎月約20名、年間で約130名ほど利用します。毎回定員を超えて抽選になるほどの人気で、地域に欠かせない居場所へと育っています。
「ふだんは2人きりなので、、今回はおねえちゃんたちとにぎやかに食事ができて楽しそうで、親としても楽しく嬉しかったです!家事負担が少なくなるし、みんなでわいわい食事をして、楽しいと思える経験がありがたかったです」
「いつもはごはんを食べない子が、食堂だと雰囲気がよくてぺろりと食べてくれました。同じくらいの年のお子さんや家族と話せて、先生も話しかけてくれてよかったです」
※こども用と大人用で量を変えながら盛り付けをしています
一方、「みんなのみらいをつくる保育園東雲」では、「卒園児が孤食になっている」「毎日、買ったお弁当で済ませてしまう」といった家庭の声がきっかけで、「親子で安心して食べられる場所をつくりたい」と考え、こちらも2022年にこども食堂を始めました。
東雲園も毎月約30名、年間で約200名が利用しており、毎回定員を超える人気ぶりです。
「毎月こども食堂の開催、とても助かっています。お友達と一緒に食べられる夕飯は娘にとっても特別な時間のようで、毎回、開催を楽しみにしています」
「ごはんを作る大変さが1日でも減って嬉しかった。また、こどもも友達と一緒に食べたり、その後少し遊んだりするのも、とても楽しかった様子です」
卒園児の家庭同士が顔を合わせることで、ミニ同窓会のような交流が生まれることもあります。
始めは表情が暗かった保護者も、参加するたびに表情が柔らかくなっていきました。「先月は行けませんでしたが、今回は来ることができてうれしいです!」と、毎月の開催を楽しみにしていました。
保育園でこども食堂を開催するメリット
保育園にはこどもが安全に過ごせる環境があり、子育ての専門家である保育士がいて、つくりたての食事が提供できる給食室を備えています。自然なかたちで親子に伴走し、親子と地域住民をつなぐ場になることは、保育園のこども食堂ならではの、大きなメリットと考えています。
フローレンスの保育園では、2019年に「おうち保育園かしわぎ」で、仙台エリアで初めての保育園こども食堂を開催。その後、2022年からは、東京都内の「みんなのみらいをつくる保育園東雲」・「みんなのみらいをつくる保育園初台」でもスタートしました。
当時は「保育園は保育以外のことは原則として行ってはいけない」という考え方が根強かったです。
https://florence.or.jp/news/64510/
フローレンスは、「保育園を活用したこども食堂などがスムーズにできるよう、国が考え方を示してほしい」と実践と提言を続けてきました。その働きかけが実を結び、こども家庭庁から「保育所等における子ども食堂等の地域づくりに資する取組の実施等について」の通知が全国の自治体に出され、保育園こども食堂の広がりを後押ししました。
・親子が地域とつながる場
「保育園こども食堂」を開催し3年以上継続したことで、毎月定員を超える申し込みがあり、顔なじみのリピーターも増えています。参加者の中には卒園児も来ることもあり、たった数ヶ月会わないだけで成長を感じることもあります。
フローレンスのこども食堂は、「雑談や相談を受け止める」「保育園の活動を紹介する」など、参加者が話したいことを受け止めることも大切にしております。
継続するにつれ、利用者同士が自然に交流する場面も生まれてきました。
「実は習い事先が一緒だった!」「卒園児と同じ学校に通っている」などの共通点が話題にのぼることもあります。
・専門性を持ったプロがいる安心感
※ごはんのあとは園のおもちゃで遊ぶこどもたち
保育園こども食堂には、園長、保育士、調理員といった、それぞれ専門性を持つプロが参加しています。こどもがぐずったり、ごはんをこぼしたりすれば、保育士が駆け寄り、あやしたり、こどものごはんを介助したりします。毎日の献立や、こどもの好き嫌いに悩んでいれば、調理員や栄養士が食についてアドバイスをします。
親として普段なら「すみません」と言ってしまいそうになる場面でも、こども食堂では気にせず過ごせます。日々の小さな悩みから、食事相談など気軽にスタッフに話すこともできます。毎日家事に追われて忙殺されている方は、ゆっくりとした時間を過ごしても大丈夫です。
こどもにとっても環境が整っています。机や椅子、カトラリーは保育園のものを使っているため、サイズがぴったりで落ち着いて食べられます。「おいしい!」とたくさん食べて完食したら、次は保育室にあるおもちゃでおもいっきり遊ぶ。その姿を保護者の方が微笑ましく見守る、「保育園こども食堂」ならではの光景です。
もちろん、帰る時間になったらこどもたちで協力し、あっという間に片付けを終わらせています。
その場で悩みを解決するのは難しいですが、こども食堂をきっかけに入園した家庭もあります。月1回の短時間の開催でも、親子にとっての憩いの場となっています。
スタッフと参加者の声 ― 保育園こども食堂の現場から
フローレンスの保育園こども食堂には、毎月多くの家庭が参加しています。参加者との交流も大切にしている現場から、スタッフや参加者の声をご紹介します。
・参加者の声
ただ食事を出すだけでなく、先生がこどもを見守ってくれたり、相談に乗ってくれたり、ごはんを食べるだけでなく、親も休憩ができるのが嬉しいです。
こども食堂は抽選のため、毎回知らない人がいて交流できるきっかけを作りやすいです。以前すでにグループができているこども食堂に行った時、初めてだと居心地が悪く感じることもありました。
園には通っていないけど、「なにかあったらここに駆け込めばなんとかしてもらえる」という安心感があり、もうひとつの居場所ができたと本気で思っています。
・みんなのみらいをつくる保育園初台 園長
こども食堂を開催することで、保護者の悩みを相談する場が生まれています。園を知ってもらうことで、こども食堂の日以外でも「近くを通ったから来ました」と気軽に来てもらえるきっかけができました。
これからも、こどもだけでなく保護者にもねぎらいの言葉をかけて、ポジティブな気持ちで帰ってもらいたいと思います。
・みんなのみらいをつくる保育園東雲 園長
保育園こども食堂がもうひとつの居場所になるようにと願っています。学校や保育園、家庭でもない、親子にとって気楽に過ごせる場所になってほしいです。困りごとがある人は、ちょっと相談できる場所でもあります。
さまざまな居場所があることが、多くの人を支え、嫌なことがあっても気分を切り替えやすくしてくれます。大人もこどもも、少しずつ居場所を持つことが大切だと感じています。
※調理員さんに食器を渡しに行く姿
日々の生活で疲れを感じたり、気軽に相談をしたいとき、保育園こども食堂が親子にとっての拠り所となり、地域とのつながりを生み出すきっかけとなることを願っています。これからも、保育園が地域にひらき、こどもたちの成長を地域全体で支えていく、そんな存在を目指します。
フローレンスの保育園は新入園児募集中です!
フローレンスの保育園では、入園を検討されている方向けに各園で保育所体験や園見学も実施しています。「参加してみたい!」という方はぜひ各園にお問い合わせください。
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フローレンスの保育園 各園情報
★おうち保育園
0-2歳児のこどもたちのための小規模な保育園です。園名には、「おうちにいるような安心感を感じられ、こどもたちにとっての第2のおうちになりたい」という願いが込められています。
(東京都 江東区/品川区/杉並区/渋谷区/宮城県 仙台市)
★みんなのみらいをつくる保育園
0-5歳児のこどもたちのための認可保育所です。園名には、「”みんなのみらいをつくる人”に育ってほしい」という願いが込められています。
(東京都 江東区/渋谷区)







